▼作品 ▼審査評
頼山陽賞
広島市立国泰寺中学校 三年
藤原 茉子さん
この度は頼山陽賞という素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございました。この課題を選んだ時、初めに言葉の意味を理解し、文字の位置やバランスを考えました。また、一文字一文字の形を考えながら書くという過程を楽しみながら作品を完成させました。自分の考えている字に近づけたのは、指導して下さった先生のおかげです。ありがとうございました。これからも楽しく自分の字を書いていきたいです。
広島県教育委員会賞
広島市立竹屋小学校 六年
水長 千晴さん
この度は、広島県教育委員会賞に選んでいただき、ありがとうございました。
私は、この「忠孝」という言葉が、頼山陽がとても大切にしていた言葉であることを今回知ることができました。一番難しかったところは、二つの文字の大きさのバランスと、中心をそろえることでした。先生に教えていただき、何度も練習をして納得のいく作品ができたので、とても嬉しかったです。これからも色々な作品に挑戦していきたです。
広島市教育委員会賞
広島市立亀山中学校 三年
徳井 心蘭さん
この度はこのような素晴らしい賞を頂き、ありがとうございます。
今回は、「山紫水明」と書かせて頂きました。画数の少ない文字の迫力を出すことができたと思います。しかし、「紫」は行書と楷書で大きく違い、満足のいく太さになるまで苦戦しました。
受験生であるが故に、上手くいかない事も多々ありますが今回の経験を糧に、今後も習字を続けていきたいと思います。
福山市教育委員会賞
広島市立広島中等教育学校 三年
大久 璃桜さん
この度は、このようなすばらしい賞をいただき、ありがとうございました。
私は、行書体のなめらかさを持ちつつも、鋭い字を書きたかったので、はねとはらいの先まで丁寧に書き、墨の潤沢さを出すことを意識しました。字と字の間隔を均等にし、全体のバランスを取ることに苦戦しましたが、枚数を重ねるうちに納得のいく字を書くことができました。これからも、様々な表現方法に挑戦し、書道を楽しんでいきたいです。
熊野町教育委員会賞
比治山女子高等学校 一年
石原 穂花さん
この度は、熊野町教育委員会賞というすばらしい賞に選んでいただきありがとうございます。
私は、この作品を書く上で文字のバランスを意識して書きました。文字の大きさや位置を整えて全体がまとまるように意識しました。
また、文字のつながりや線の太さにも気をつけ、自分の納得のいく作品を書くことができました。これからも様々な書体に挑戦し、書道に励んでいきたいです。
特選
広島県立可部高等学校 一年
小堀 美玖さん
私は、「郷に到る」を行書で書きました。
一文字一文字の間隔や中心をそろえる努力をしました。
隣同士の組み合わせにも気を付けたり、潤渇の調子をつけたりしました。
線の太さや文字の大きさを工夫し、書いていくうちに楽しく作品を仕上げていくことができました。
広島大学附属福山中学校 二年
大野 可憐さん
この度は、特選という素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。選ばれた連絡を聞いたとき、とても驚いたと同時に嬉しくて仕方なかったです。
この作品を通して、蔵鋒の書き方や行書特有の柔らかい線に苦労し、何枚も何枚も練習を重ねました。
今回の賞を励みに、いろいろな書体にも挑戦し、これからも楽しく書道を続けていきたいです。
東広島市立三ツ城小学校 六年
平原 咲歩さん
この度は、すばらしい賞をいただきありがとうございます。私は、「忠孝」という字を書くときに、「孝」の「子」という字の位置に苦戦しました。止め、はね、はらいをていねいに書くことを心がけました。私は今六年生で、小学校最後の書道の良い思い出ができました。
これからも、今よりもっと良い字がかけるように取り組んでいきたいと思います。
奨励賞
広島大学附属福山高等学校 二年
小林 咲緖さん
この度は、奨励賞という素晴らしい賞をいただきありがとうございました。昨年は入選だったので、昨年よりも良い知らせを聞くことが出来て、本当に嬉しく思います。一点一画に思いを込めて、行書独自の筆の柔らかな運びを表現できる様に何度も練習を重ねました。今回の賞を励みに様々な書体に挑戦し、より一層自分の字を磨いて表現の幅を広げていこうと思います。
広島県立高陽東高等学校 三年
春木 彩花さん
今回は、初めて木簡で創作に挑戦しました。14歳の少年がもつ将来展望に驚きながら始まった創作でした。まだなにものでもない私が、社会に出る不安を勢いで乗り切れる作品にしたいと考えました。波磔の部分を一番意識し、一文字一文字に勢いや滑らかさを出せるように筆圧に気を付けながら書きあげました。
波磔の角度をなるべく同じようにすることと、字を偏平にすることで作品全体に滑らかさと優しさを出すことができたと思います。
広島県立可部高等学校 二年
中島 柊太さん
この度は頼山陽書道展において奨励賞というすばらしい賞をいただきありがとうございます。僕は「不識庵機山を撃つの図に題す」の課題を三行で書かせていただきました。
書くにあたって画数が多い出だしの二文字をシャープかつ力強い線で仕上げること、全体的に強弱に富んだ一枚にすることを特に意識して挑みました。今後も今回の作品制作で得た経験を活かして書道に取り組んでいきたいです。
広島市立亀山中学校 一年
木原 端希さん
浩然之気を書いた理由は、意味がかっこ良かったからです。
特に難しかった所は、「浩」の口の大きさや「之」の形、「気」の姿です。四文字をまとめるのも難しく大変でした。全体を何度も見ながら整った最後はとてもうれしかったです。
意味のように元気いっぱいにかっこよく書けたらよかったのにと思いました。
広島市立可部中学校 三年
加藤 唯愛さん
私はこの「唯真故新」という字を書く時に勢いのある字を目標にして練習しました。そのとき勢いをつけたいがあまりに文字が大きくなり過ぎて右払いや字の最も横が長いところが目立たなくなってしまいました。ですが、それに気づき、余白を生かして字を書くということを意識することができました。
また、私の名前に使われている「唯」は特に思いを込めて書きました。
広島市立三入中学校 三年
伊谷 海栄さん
私が「浩然之気」を書くときに気をつけたことは、文字と文字の間隔や、文字のバランスを考えながら書くことです。
「之」は他の三つの文字よりも小さく書くことでバランスをとれるようにしました。また、文字と文字の間が広いところと狭いところがあり、何度も練習しました。
この書道展に取り組むことで、私は努力して作品を仕上げることの楽しさを知ることができました。ありがとうございました。
広島市立亀山南小学校 五年
小田 来果さん
私は、「真」という字を書きました。
書いている時に、「
」の部分のバランスがむずかしかったです。また、「十」の太さと長さに注意しました。先生に、たくさん直されながら、しっかりお手本を見て、ていねいに書きました。
授賞式では、頼山陽が書いた文字を見るのが楽しみです。
三次市立八次小学校 五年
角嶋 優仁さん
このたびは、しょうれい賞という賞をいただきありがとうございます。「真」を書くとき十画目がむずかしかったけど、何度も先生に教えてもらい何度も練習しました。これからも書道をがんばっていきたいです。
東広島市立三ツ城小学校 六年
高野 里紗さん
今回、「頼山陽書道展」で奨励賞をいただき、ありがとうございました。
「忠孝」を書く時に難しかったところは、字のバランスと、中心を決めてそろえるところです。また、一本一本の強弱にも気を付けて書きました。特に忠の心の部分は、しっかりと強く書けるようにがんばりました。
これからも、書道を続けて、もっと上手に書けるようになりたいです。
審査評
広島文教大学
名誉教授 日比野 貞勝 先生
第八回広島県公募書道展「頼山陽書道展」においてご入賞、ご入選された皆様、誠におめでとうございます。応募された作品はどれも頼山陽の詩・句をもとに創意と工夫が凝らされており、臨書課題においても頼山陽の技と心に学び迫る力作でした。審査は筆使いによる美しさや力強さの優劣は無論ですが、情感の充実度、心境や境地の崇高さという筆意も併せて採点しています。賞に選ばれた作品は、“心手合一”“心手双暢”という孫過庭『書譜』の句や、「書には神・気・骨・肉・血あり」(精神・気力・芯の強さ・麗しさ・脈絡)という蘇軾『論書』の句、「字の形に魂を入れるのは筆の勢いである。筆の勢いのもとは心である」と尊円親王『入木抄』のいうように、技と心が一になって生き生きと運筆された一作一作で、見ごたえも十分な秀作です。尚、美しい線でありながら誤字に気づかず選外となった作品がありました。漢字は表意文字です。部首とその構造をよく調べ、その上で表現の工夫をして作品化することが大切です。以下、入賞作品に寸評を記し審査評とします。
特別賞
「頼山陽賞」藤原茉子さんの「唯真故新」はこの語句に相応しい心と技と姿勢を象徴しているような秀作。端正な骨格、秀麗な線質、生気溢れる統一感、この三要素を満たしている。特に筆画のすみずみまで筆鋒を運び、活き活きした緊張感をたたえ、字画の疎密を調和・統一させ、風韻をも感得させる筆使いは傑出。一心不乱に書かれた作、心境の高さと筆使いの巧妙さで味わい深い作品。見る者の心と目に焼き付ける美と力があります。
「広島県教育委員会賞」水長千晴さんの「忠孝」は懸腕直筆で気高い心境、書き始めから名前まで一心不乱に美しい線質で書き切った秀作。特に「忠」の「心」部、「孝」は自律的な運筆、実直な線質で生気が溢れ、余白も生きている。生動する筆使いや運筆の底流にワクワクさせる心意気・境地が見て取れる。まさに筆意の優った書、じっくり味わえる秀作です。
「広島市教育委員会賞」徳井心蘭さんの「山紫水明」は重厚にして秀潤、充実感のあふれる秀作。書き出しから落款まで豊かな性情と力強い意志、筆使い巧妙さには目を瞠るものがある。特に「山紫」の部分は「万毫斉力」(筆毫すべてにひとしく力がこもる)の効、筆画の中央に力があり、キリっと締まった線条。深く美しく生動しており、一点の隙もない緊密な結構で、余白との照応・調和、全体構成も見事。執筆の良さ、懸腕の確かさや集中力、感性の良さが凝縮した作品です。
「福山市教育委員会賞」大久璃桜さんの「浩然之気」は大きな気宇、伸びやかで澄んだ心境、躍動感に溢れた秀作。特に清澄な起筆、生気に満ちた運筆、書き出しから落款まで脈絡が貫通し、全体が一になって生動しており見事。澄み切った線条、ためらいのない運筆、確かな骨格の底流には蘇軾のいう「気」「骨」があり、句境をも想像させる。筆使いの巧妙さ、またその風韻の高さで美に力があります。
「熊野町教育委員会賞」石原穂花さんの「癸丑歳偶作」はこの詩に相応しい気と技と構えを象徴しているような秀作。大きな気宇と強い起筆、意欲的な運筆とで統一しており頼もしい作。特に起句と結句の筆勢は意気軒高、意が横溢し迫真力がある。懸腕直筆による線質と、気脈の貫通による行構成が抜群。所謂表現のための術、小技などを凌駕する書境の美が筆端に見て取れます。
特 選
小堀美玖さんの「郷に到る」は詩境の母を想う素直な心情を象徴しているような秀作。品位を生む懸腕直筆、柔らかな筆致、紙面と対話をするかのような運筆。書き出しから落款まで筆脈・気脈が貫通しており、その統一生動感は傑出しています。
大野可憐さんの「唯真故新」は意志と気力が筆端からあふれ、生き生きとした秀作。特に集中力の高さと筆使いの巧妙さは見事。一筆一筆の確かさや、字形の組み立て方や均衡のとり方、充実感は群を抜く。基礎基本に裏打ちされ確かな芯や誠実な味があります。
平原咲歩さんの「忠孝」は堅実で力強い筆使い、整然とした全体構成でこの句を象徴しているような秀作。特に「孝」字の起筆には芯の強さ、「心」「子」の小さい画の筆使いには理知的な確かさが見て取れる。基礎基本に裏打ちされた作です。
奨励賞
小林咲緖さんの「外史脱稿戯作」は書き出しから落款まで美しく大きな気宇・充実した情感で、詩意をも想像させる力作。懸腕直筆が堅持され、力感の籠った線質で、行に力と生動感が看取できる。運筆の遅速緩急と抑揚を習得されたら、山陽のような風韻が表現できると思います。
春木彩花さんの「癸丑歳偶作」はこの詩に相応しい気と技と構えを象徴しているような力作。竹簡・木簡書の効果を企図したのか、「天」「得」「史」字の波磔、筆勢に意志・意気の趣が窺える。一体に簡書は後漢代の隷書ほどの成熟した芸術性はないが、素朴で奔放な美しさや真情発揮の要素を胚胎している。更なる技法の習得と応用・発展を期します。
中島柊太さんの「不識庵機山を撃つ図に題す」は書き出しから落款まで力感の籠った線質で、筆脈の貫通した力作。三句の「十」「年」「磨」「一」「剣」、結句の「長」「蛇」の緊密な結体は筆法と筆意とが渾然一体となってその効を発揮している。行構成も二行目に芯があり、布置を安定させて作品としての効を上げています。
木原端希さんの「浩然之気」は句意を象徴するかのような力作。力強く美しい点画、緻密な組み立て、貫通する筆脈、全体のバランスにも秀でた作品。特に確かな起筆、意気の溢れる筆勢、スキのない完璧な結構が見事です。
加藤唯愛さんの「唯真故新」は情感の豊かな線質、生気の溢れる筆脈、統一感のとれた力作。特に「故新」の部分は用筆法と筆勢に優れ、句境に迫る境地が看取できる。余白も黒と照応して美しい。
伊谷海栄さんの「浩然之気」は句意を象徴するかのような気骨で、すっくとした気構え、悠然とした運筆、超逸然とした力作。特に「浩然」の部分ははつらつとした筆勢で、生気に満ちて風韻も漂っている。均衡も見事な作です。
小田来果さんの「真」は志を内に秘めたような力強い筆使いで、バランスもよく取れた力作。特に横画の確かで堂々とした筆使いは見事。誠実な味があります。平素の学びや修練、努力の姿が浮かんできます。
角嶋優仁さんの「真」は堂々とした気構え、力強い運筆でバランスもよく取れた力作。特に一画一画に向かう真剣さと、最後まで書き抜く集中力、紙面に向かう姿勢がすばらしい。
高野里紗さんの「忠孝」は丁寧でしっかりした筆使い、書き出しから名前まで堂々と書き進めた力作。全体のバランスも良く取れており、強い意志・気力が筆端からあふれています。
その他、入選作にも優れたところが多々ありましたが、紙面の都合で省略します。頼山陽は詩や文章で一家を成した郷土の大先達です。また書道においてもナンバーワンの大家でした。特にその書は詩文の境地と一体になった骨法・用筆と、颯爽たる気迫や筆勢、風韻、美しさに特徴があります。その背後には、驚くべき創意と工夫、吟味、思索があります。文学、学問によって鍛え上げられた人間の厚みがあります。頼山陽の足跡をたどり、倣い、さらに研鑽を積んで、また来年度も挑戦してください。
安田女子大学 文学部書道学科
教授 信廣 友江 先生
第八回広島県公募書道展「頼山陽書道展」においてご入賞、ご入選された皆様、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。
本年の頼山陽書道展には、小学生(五・六年生)四五点、中学生六四点、そして高校生二〇点、計一二九点の作品が寄せられました。審査にあたっては、ゆったりと広げられた作品の間を何度も往復し、個々の作品を幾度も見ていきました。出品された作品はいずれも力作ばかりで甲乙をつけがたく、入賞作品の決定までには多くの時間を要しました。
小学生の部は、「真」「忠孝」が課題でした。いずれも字形のバランスがとりにくく、紙面に収めるのも難しかったのではないでしょうか。けれども、そうであるからこそ一点一画の筆づかいや点画の組み立て、文字の配置など、多くのことを考えながらたくさん練習されたのではないかと思います。素直でよくまとまった作品、力強く生き生きとした作品など、どの作品にも努力の跡がはっきりとうかがわれて、感心いたしました。
中学生の部は、長半紙への四字句を楷書または行書で書く課題でした。四字句の一行書となれば、「句」としての四字が一貫性のある書き方になっているとよいでしょうし、選択した課題によっては画数の多寡や文字の概形などこれまで以上に収め方の工夫が必要であったかと思います。そういった様々な点を取り入れながら、どの作品も長い紙面を生かして、のびやかに、そして堂々と書きあげられていました。
高校生の部は、山陽自作詩からの創作もしくは山陽書の臨書で、まさに真正面から山陽と向き合う課題でした。ぜひ多くの方に取り組んでほしいのですが、出品数が少なかったのは残念です。また、立派な作品でありながら、誤字や落款の不備等が見られたことも大変に惜しいことでした。作品制作の早い段階で、字典等による字形や筆路の確認、全体構成の確認などを行うようにしてみましょう。みなさんの今後一層の研鑽と発展を期待しています。
本書道展は、郷土が生んだ文豪頼山陽と書写書道の学びとが密接に関連しあった大変に意義深い書道展と思います。ぜひ今後も多くの児童生徒のみなさんが参加くださるよう願っています。
広島県立可部高等学校
教諭 迫 眞一郎 先生
第八回広島県公募書道展「頼山陽書道展」において、ご入賞、ご入選された皆様、誠におめでとうございます。お祝い申し上げます。
この書道展への応募作品は、毎年レベルの高い作品が寄せられます。今年も、審査会を楽しみにしておりましたが、期待通りに、素晴らしい作品が数多く寄せられていました。
小学生の部では、基本に忠実な用筆に加えて、思い切りのよい運筆で線の充実している、生き生きとした作品が多くみられました。日頃から、皆さんが熱心に書の練習に取り組んでいる様子が、よく伝わりました。より良い作品に仕上げるためには、日頃から手書きをする場合にも、整った字形で書字することを心掛けましょう。
中学生の部では、楷書および行書の作品でしたが、どちらも書体の特徴をよく踏まえて、大らかに書字した作品ばかりでした。どの作品も書風が堂々としており、日頃の積み重ねがあってこそ、成果が表れているのだと思いました。長半紙に一行書きですから、課題文の各文字の画数による文字の大きさの違いや線の太さの変化を、違和感なく表現する事は、意外に難しかったと思います。レベルが高い作品は、その点を上手に表現していて、印象に残りました。
高校生の部では、課題は頼山陽の作品の臨書や漢詩の創作ですが、挑戦し甲斐がある課題です。特に臨書では、日頃から様々な作品に接して、頼山陽の用筆法を理解できる素地を作っておくことが大切です。日頃の鍛錬が成果として表れる課題です。創作作品は、毎回様々な書体で書いた作品が出品され、見応えがあります。ただし数点、誤字を含む作品がありました。それらもどれも筆力のある出来映えなのでが、残念な結果となりました。
さてこの書道展は、今日の日本の礎を築いた先人たちの志に触れることができる、よい機会です。この書道展を通して、書字の技法を高めると共に、自分たちの未来について考える、よい機会としてください。今後も、この書道展に大いに参加してください。
広島県立広島観音高等学校
教諭 伊藤 珠己 先生
第八回広島県公募書道展「頼山陽書道展」において、入賞・入選された皆さま、誠におめでとうございます。
どの作品も課題の言葉と向き合い、表現の方向性を定めながらしっかりと書かれ、気迫に満ちていました。
小学生の部では、一点一画を大切にしながら、用紙に合った文字の大きさや配列も考え、堂々と書かれていました。何度もくり返し練習された成果が発揮された作品ばかりで、感心いたしました。
中学生の部では、課題の言葉をふまえ、卓越した筆づかいと均整のとれた字形、紙面に体裁よく収められた文字の配列等、表現の効果を考えながら書かれていました。日頃から練習に励まれた成果が発揮された作品ばかりで、感銘を受けました。
高校生の部、「高校生課題」では、骨力のある線や抑揚の変化、流れの美しさ等、意図に基づいた表現を構想し工夫され、詩の情感を個性豊かに表現されていました。また、「高校生臨書課題」では、頼山陽の詩や書と向き合い、用筆・運筆、字形、全体の構成等を工夫され、課題を見事に表現されていました。両課題ともに日頃から書に親しみ、練習に励まれているからこその出来栄えに感銘を受けました。
今後の参考までに、詩を書くという観点から文字にも関心をもち、字典を活用していただきたいと思います。その際は、引いた文字の中から複数の書きぶりや出典を参考にされると、誤字を防ぎ、筆路や抑揚等、理に適う表現になると思います。
作品の制作過程では、時に思い通りに書けない、あるいは作品の方向性に迷うこともありますが、様々な困難を乗り越えて出来上がった作品には、奮闘の成果と個性が表出されているように思います。本書道展において、素晴らしい作品に出会えたことに感謝いたします。
広島県教育委員会 義務教育指導課
指導主事 関根 紗絵 先生
第八回広島県公募書道展「頼山陽書道展」に、今年も多くの小・中・高校生からの応募がありました。作品から、書と真剣に向き合っている子供たちの姿が目に浮かび、大変嬉しく思いました。
小学校部門では、文字や全体のバランスを考えた丁寧な筆遣いの作品が多く見受けられ、日々の努力を感じました。中でも、「真」、「忠孝」という言葉のもつ意味を踏まえ、始筆から終筆、止め、はね、はらい等、気持ちの入った筆遣いをしている作品が印象に残りました。
中学校部門は、字形の整え方、運筆の滑らかさ、筆圧のかけ方や一点一画を確かめて丁寧に書こうとする技能の高さを感じました。「唯真故新」では、自分を飾らず、正直であることを表現するような、素直な筆遣いの作品、「山紫水明」では、自然の景観の澄み切った美を流れるような筆脈によって表現した作品、「浩然之気」では、この上なく大きく強いさまを表す、堂々とした筆致の作品など、それぞれの言葉のもつ意味を大切にしている作品が多くありました。
高校部門では、様々な書体にチャレンジされており、その芸術性の高さに感心させられました。頼山陽の詠んだ詩と向き合い、その内容を踏まえて、自らの解釈を豊かに表現しようとしている作品から、日々様々な思いをもって書と向き合い、研鑽を重ねてこられた時間を感じました。
いずれの部門においても、優れた作品は、頼山陽がそれぞれの言葉に込めた思いを、書き手によって豊かに表現していたものであったと思います。
今後も、多くの子供たちが頼山陽の詩文と出会い、書を通して表現することを通して、頼山陽について学び、伝統文化に親しむ機会になることを願います。
広島県教育委員会 義務教育指導課
指導主事 宮岡 大輔 先生
第八回広島県公募書道展「頼山陽書道展」において、入賞・入選された皆様、おめでとうございます。今年度も、多くの児童生徒が、頼山陽の詩や句をもとに創意工夫を凝らし、それぞれの課題に一生懸命取り組んでくださったことを大変嬉しく思いました。
頼山陽が生涯をかけて執筆した「日本外史」は、多くの藩校で教科書のように使用され、幕末の日本に多大な影響を与えました。今回の書道展においても、頼山陽が遺した詩や書などから、その考えや生き方が伝わってくるような言葉が課題として設定され、小・中・高それぞれの部門において、一人一人の児童生徒がその意味を理解し、書に表現されていると感じました。
小学校部門では、「真」と「忠孝」が課題でした。いずれもバランスのとりにくい字形ですが、文字の大きさや配列などを意識し、どの作品も丁寧に書き上げてありました。その中で、特に、力強い線で表現された作品や、文字のバランスに長けた作品などが印象に残りました。
中学校部門では、「山紫水明」、「浩然之気」、「唯真故新」が課題でした。楷書や行書、それぞれの書体の作品からは、文字の意味をとらえ、美しさ、力強さ、雄大さが表現されていました。その中で、特に、軽やかで流れのある筆遣いで表現された作品からは、日々の努力の積み重ねを感じることができました。
高校部門は、臨書と創作の課題がありました。小学校・中学校部門と比べ非常に難しい課題ではありましたが、自分なりに詩の内容を踏まえて書体を工夫している作品が多くあり、それぞれの作品の芸術性の高さに感心しました。先人達の工夫や努力によって生み出された伝統的な文字文化を継承しようとしている姿を想像することができ、頼もしく感じました。
今後も、多くの子供たちが書を通して頼山陽について学び、郷土が生んだ頼山陽という先人の業績に触れていく機会になることを切に願っております。


















