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第6回広島県公募書道展「頼山陽書道展」入賞作品

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作品  審査評

頼山陽賞

広島市立亀山中学校 二年
中西 智春さん

この度は、このような素晴らしい賞を頂き、ありがとうございます。この作品を書く時に特に意識したことは、文字のバランスが整うように、全体を見て書くことです。また、一文字一文字に気持ちを込めて、流れるように書くことを心がけました。名前も、最後の一画まで集中して、丁寧に書きました。
これからも沢山努力して、今よりももっと上達していけるよう、書道の楽しさを忘れず頑張っていきたいと思います。

 

広島県教育委員会賞

広島県立海田高等学校 二年
有田 志歩さん

初めて頼山陽の作品の臨書に取り組みました。作品の特徴を捉えるためによく観察し、自分の書き方を一から見直しながら練習しました。字数が多いので紙の中にバランスよくおさめるのが大変でしたが、文字の大小や線の太さ等を工夫し、運筆の遅速緩急・抑揚にも気を付けながら流れが途切れないように書きました。これからもいろいろな書に挑戦していきたいと思います。

 

広島市教育委員会賞

広島市立亀山南小学校 五年
木原 端希さん

今回は、「真」の目の部分の間かくをそろえる努力をしました。
八画目の長さがむずかしかったけどできるようになったので、字のバランスがよくなりました。
九画目と十画目のつながりが見えるように角度に気をつけました。
筆のだん力を楽しんで書けました。

 

福山市教育委員会賞

春日部市立中野小学校 六年
中村 愛瑠さん

この度は福山市教育委員会賞というすばらしい賞をいただき、ありがとうございました。私は「忠孝」の文字を書く時に、余白を考え、とめ、はね、はらい等何度も練習しました。特に難しかったところは、「孝」の「子」の部分が、中心からずれてしまう事が多かったので、軸をずらさないよう一点一画を入念に作品を仕上げました。これからも美しい文字が書けるよう書道に励んでいきたいと思います。

 

熊野町教育委員会賞

広島市立可部中学校 一年
加藤 唯愛さん

「浩然之気」を書くときに難しかったところは、口の大きさです。ですが、一画一画だけに目を向けず、全体のバランスを見て書くことで気付けたと思います。
他に気を付けて書いたところは、メのはらいを遠くまではらうことです。短くなってしまうことがあったので、特に注意して書きました。
色々なことに気付くことができて、とても楽しかったです。

 

特選

比治山学園 比治山女子高等学校 一年
石原 花純さん

この度は、特選に選んでいただきありがとうございました。
この作品を書く上で意識したことは、字の大きさやバランスを整えて書くことでした。初めて書く字も多く、とても難しかったですが、がんばってかくことができました。
これからも、いろいろな書体に挑戦し、がんばっていきたいと思います。

 

広島大学附属東雲中学校 一年
伊東 琥子さん

この度は大変すばらしい賞をいただきありがとうございました。私は、小学校五年生の時に、初めてこの書道展に出品して、表彰式にお招きいただきました。そのときのすばらしい体験がずっと心に残っていて、今年も必ず応募しようと決めていました。「唯真故新」を選んだのは、本物を追求することこそが新鮮さにつながると思ったからです。書写の正しい筆運びと、線と余白の美しさを考えて書いて、よい作品になったので嬉しいです。

 

広島市立亀山小学校 六年
北村 有芯さん

ぼくは、この忠孝にたくさん時間をかけました。最初は、忠孝の孝の四画目からが上手くできませんでした。ぼくが、こんな字を書けたのは、筆のだん力を楽しんで書いたからだと思います。孝の漢字だけでなく、バランスを保って書く所も大切です。難しいけどお手本をよく見て、先生の話をちゃんと聞いて、たくさん練習したのできれいな字が書けました。すごくうれしいです。

 

奨励賞

神戸野田高等学校 二年
岡﨑 萌生さん

修史偶題を臨書いたしました。
『二十余年我が書を成す
書前酒を酹いで一たび鬚を掀ぐ
此の中の幾個の英雄漢
吾が曲筆無きを諒得するや無や』
頼山陽先生の作品の意味を理解するには十七年しか生きていない私にはとても深い内容でした。気脈を込めて運筆するのは難しく未熟な作品ですが次の作品への意欲は湧きました。いつか満足のいく作品を完成し眺めて祝杯を上げたいと思います。

 

広島県立三次高等学校 一年
田森 柚帆さん

大きい半紙にバランスよく字をかくのが初めてで難しかったですが、のびのび楽しくかくことができました。「天地無始終 人生有生死」の部分の大意を読んで、人間には定められた時間しかないので、その時間を後から悔いるような使い方をせず努力や楽しさが積み重なるようにしていきたいと思います。
また大きな半紙にかく機会があれば、その時はもっと軽くかけるように練習していきたいと思います。

 

広島県立海田高等学校 二年
大本 莉央さん

この度は奨励賞をいただきありがとうございました。半切に書くのは初めてで、バランスの取れた作品にするために、文字の大きさや間隔の取り方に苦労しました。わからない文字は字典で調べ、頼山陽の作品の筆意、筆脈を捉えられるように考えながら練習していきました。何度も練習を重ね、自分の納得のできる作品が書けて良かったです。これからも色々な書体に挑戦し、技術を磨いていきたいです。

 

広島市立亀山中学校 三年
楠木 さりあさん

今回は、「浩然之気」を書きました。
苦労したことは、「之」と「然」の間が開いてしまうことです。そこで先生の的確なアドバイスを頂き、改善することができました。

 

広島県立三次中学校 三年
伊藤 柚姫さん

今回は、奨励賞をいただきありがとうございます。
私は、山紫水明という字をかきました。画数が少ない字と多い字でバランスがとりにくく、難しかったですが、何枚も書き続けることで思うように書くことができました。
これからも自信をもって楽しく書道をしていきたいです。

 

広島市立亀山中学校 二年
小堀 美玖さん

「浩然之気」という言葉を初めて知りました。意味の通り元気があふれるように書きたいと思いました。
気を付けた所は、「気」のそりの勢いと長さです。流れがつながるようにも努力しました。
また、四文字全体のバランスをくずさないように大きさや始筆に注意しながら書きました。
良い作品ができてとてもうれしかったです。

 


広島市立亀山南小学校 六年
下島 生磨さん

僕は、忠孝の孝の子の大きさや左はらいがとても難しくて何度も何度も失敗し続けました。
そのたびに、先生から失敗した所を良くするように手本と比べたり手本をしっかり見たりしてたくさんの努力をして孝の子の大きさや左はらいの角度を極めとてもいい忠孝が書けたときは、とてもうれしかったです。
また難しい漢字に挑戦していきたいです。

 

船橋市立高根台第二小学校 五年
戸邉 奏太さん

この度奨励賞という素晴らしい賞に選んでいただき、ありがとうございます。
この「真」という作品を書くときに、まず半紙に堂々と一文字を大きく仕上げることがバランスなど難しかったです。
そして目の部分の余白をそろえること、横画も多い文字なのできれいな線が引けるようにと、気をつけました。
これからも努力し頑張っていきたいと思います。

 

広島市立亀山南小学校 五年
榎本 匡華さん

賞をもらった時とてもびっくりしました。「真」という字は、かん単だと思いましたが、一画一画の間の取り方や、半紙に対する文字の大きさも悩みました。毛先の通る位置で広さが調節できることがわかったり、遠くから何度も比べることでバランスが良くなってうれしかったです。

 

審査評

広島文教大学
名誉教授 日比野 貞勝 先生

第6回広島県公募書道展「頼山陽書道展」に応募され、ご入賞、ご入選されました皆様、おめでとうございます。本年はコロナ禍で作品制作も種々困難であったと側聞していますが、応募された作品はどれも頼山陽の詩・句をもとに創意と工夫が凝らされており、臨書課題においても頼山陽の技と心に学び迫る力作でした。審査は筆使いによる美しさや力強さの甲乙とともに、情感の充実度、心境や境地の崇高さという筆意も採点しています。上位作品は夫々にレベルが高く、甲乙の判定には苦慮しました。賞に選ばれた作品は、“心手合一” “心手双暢”という孫過庭『書譜』の句や、「字の形に魂を入れるのは筆の勢いである。筆の勢いのもとは心である」と尊円親王『入木抄』のいうように、技と心が一になって生き生きと運筆された一作一作で、見ごたえも十分な秀作です。以下、入賞作品に寸評を記し審査評とします。

「頼山陽賞」となった、中西智春さんの「唯真故新」は山陽のこの語句に込めた意味を象徴しているような作品です。力強い心意気と磨かれた筆使いの中に「真」が窺える傑作。線には澄み切った真剣な気持ちが溢れ、組み立て方には確かな気構えが見て取れます。特に丹田から出てくるような運筆や構成には目を瞠るものがあります。姿勢の良さや集中力、はたまた美しい感性が凝縮した作品です。

「広島県教育委員会賞」となった、有田志歩さんの「修史偶題」は懸腕直筆による勁い線質と抑揚、筆脈の貫通、そしてその行構成が抜群。また大きな筆画と小さな筆画とが効果的に調和し、山陽の筆法や筆意、またその美に迫らんとする力作です。意気軒高、一心不乱に書かれた作、心境の高さと筆使いの巧妙さで味わい深い作品です。

「広島市教育委員会賞」となった、木原端希さんの「真」は情感の豊かさ、姿勢の良さ、集中力の高さが見て取れます。秀潤な筆致と実直な筆勢とが一になった見事な作品です。生き生きとした点画、完璧な組み立て方、充実した余白、三拍子揃った素晴らしい出来ばえです。

「福山市教育委員会賞」となった、中村愛瑠さんの「忠孝」は気力や意志そして集中力が反映した見事な傑作です。特に一点一画の確かさや字形の組み立て方、更にその整然とした全体構成は抜群です。線の確かさ・美しさには、平素の学びや修練・努力が窺えます。

「熊野町教育委員会賞」となった、加藤唯愛さんの「浩然之気」は重厚にして秀潤、充実感のあふれる秀作。書き出しから落款まで情・意がよくよく尽くされている。線は強く美しく、余白とも照応・調和している。特に緊密な結構・構成力にはこの句意をも想起させ、じっくり味わえる秀作です。

「特選」となった、石原花純さんの「癸丑歳偶作」は懸腕直筆と自律的な運筆による実直な線質と生気溢れる余白が抜群。全体を貫通している気脈には山陽の詩魂を宿しているのだろうか、生動・葛藤する筆使いや運筆の底流にワクワクさせる心意気・心境がある。筆意の優った作です。
伊東琥子さんの「唯真故新」は書き出しから落款まで美しく大きな気宇・豊かな情感で、句意をも想像させる清々とした秀作。特に起筆や運筆、そして全体構成が見事。生気が溢れ、書の黒と余白の白とが照応して大変に美しい。じっくり味わえる秀作です。
北村有芯さんの「忠孝」は意志と気力が筆端からあふれ、生き生きとした迫真の作です。集中力の高さと筆使いの巧みさは見事。特に一点一画の確かさや、字形の組み立て方や均衡のとり方は傑出しています。平素の学びや修練・努力、また姿勢が浮かんできます。

「奨励賞」となった、岡﨑萌生さんの「外史脱稿戯作 修史偶題十一首之一」は線質のキレ、運筆の抑揚や伸び、筆脈の貫通、またその行構成や落款の書きぶりが優れています。懸腕直筆で筆位(筆を執る位置)を徐々に高くされたら、さらに飛躍できると思います。
田森柚帆さんの「癸丑歳偶作」は書き出しから落款まで美しく大きな気宇・豊かな情感で、詩意をも想像させる秀作。直筆と自律的な運筆による実直な線質で、余白にも生気が溢れています。運筆の遅速緩急と抑揚を習得されたら、山陽のような躍動感が表現できると思います。
大本莉央さんの「外史脱稿戯作 修史偶題十一首之一」は実直な線質、小気味の良い運筆とその筆脈、芯のある行構成に優れた作品です。捻筆などの筆鋒を活かす術を習得されたら、表現の幅がさらに広がると思います。

楠木さりあさんの「浩然之気」は確かな骨組み、秀潤な線質、充実感あふれる筆意の秀作。書き出しから落款まで技と意を尽くして書かれており、余白との照応、調和も見事。朗々として美しい。特に「気」字の運筆はこの句意をも想起させます。
伊藤柚姫さんの「山紫水明」は書き出しから落款まで、大きな気宇、澄んだ心境、迷いのない運筆、端整な筆使いで見事。句意に寄せる心境の清々しさも感じられる作品。特に線の清澄さと結構の均衡に目を瞠るものがあります。
小堀美玖さんの「浩然之気」は丁寧な用筆法、心のこもった運筆法で、書き出しから落款まで一筆一字ごと技と意を尽くして書かれた秀作。素直な線質、よく整った全体の構成で安定感がある。特に「浩」字の旁の運筆に光るものがあります。

下島生磨さんの「忠孝」は丁寧でしっかりした筆使いで、線の美しさと芯の強さが見て取れます。書き出しから名前まで一心に書き進め、全体のバランスも良く取れて見事です。日頃の姿勢や意志・気力が筆端からあふれている優れた作品です。
戸邉奏太さんの「真」はたっぷりとした情感で、「真」字を紙面に堂々と書き上げています。筆使いの巧さ、線の美しさ、組み立て方やバランスの良さ、気構えの高さ、姿勢の良さ、集中力の高さが見て取れます。落ち着いた筆致と実直な筆勢で優れた作品です。
榎本匡華さんの「真」はきっちりとした気構えで、一画一画着実に組み立てた作品です。確かな起筆で美しさ、意志のこもった運筆で強さ、集中力と真剣さで全体構成の確かさが備わっています。日頃の姿勢や真摯な努力に裏打ちされた作品と思います。

その他、入選作にも優れたところが多々ありましたが、紙面の都合で省略します。頼山陽は詩や文章で一家を成した大先達ですが、書道においてもナンバーワンの大家でした。特にその書は詩文の境地と一体になった骨法・用筆と、颯爽たる気迫や真情・風韻、美しさに特徴があります。その背後には、驚くべき創意と工夫、吟味、思索があります。文学、学問によって鍛え上げられた人間の厚みがあります。頼山陽の足跡をたどり、倣い、さらに研鑽を積んで、また来年度も挑戦してください。

 

安田女子大学 文学部書道学科
教授 信廣 友江 先生

このたび入賞・入選されたみなさん、おめでとうございます。

小学生部門の課題はバランスのとりにくい字形でしたが、どの作品も点画の組み立てや余白に注意しながら丁寧に書かれていました。中でも始筆、終筆、転折などの用筆をよく学びこんだ作品は運筆にも無理がなく、生き生きとまとめられていて目を引きました。

中学生部門は大きめの紙面を有効に使い、筆の性能を生かして堂々と表現されていました。入念に書き込まれた作品には練度が高いものも多く、字句の持つ意味をも際立たせているようでした。

高校生部門の作品も真摯さにあふれ、また書者の個性も生かされて味わい深く感じました。とくに臨書は、書法とともに山陽の精神性に直接触れることにも繋がり、新鮮な学びを得られたのではと思います。

頼山陽にちなむ課題はいずれも含蓄深く、作品制作を通してみなさんは沢山のことを感じとられたのではないでしょうか。本書道展を通して、これからも多くの方が山陽に親しまれますことを願っています。

 

広島県立呉宮原高等学校
教諭 迫 眞一郎 先生

第六回広島県公募書道展「頼山陽書道展」においてご入賞、ご入選された皆様、誠におめでとうございます。お祝い申し上げます。
この書道展への応募作品は、毎年、レベルの高い作品が寄せられ、私も審査会で応募作品と対面することを楽しみにしています。

小学生の部では、用筆の基本を踏まえた上で、書いた人の個性が伺えるような書風の作品が多く、見応えがありました。課題である「真」「忠孝」という言葉の意味に正面から向き合い、山陽の心を真摯に表現しようとする姿勢が、よく伝わってきました。これらの言葉を表現するうえでは、文字の中心から左右のバランスを取るように、線の長さや位置に注意が必要です。

中学生の部では、楷書・行書の書体の違いだけではなく、書風の違いから一つとして同じ雰囲気の作品はなく、見ていて楽しい作品ばかりでした。課題である「山紫水明」「浩然之気」では、語句の持つ「清々しさ」や「雄大で堂々としたさま」を紙面に、どのように表現するか、という点が難しいところでしょうか。
しかしどの作品も、技法のすばらしさだけではなく、語句の意味やその風景も連想させるような大らかな作風で、感心しました。

高校生の部では、作品数は少なかったものの、これも見応えがある作品ばかりでした。課題である頼山陽作品の臨書、若しくはその詩句による創作は、挑戦し甲斐がある内容です。また、日頃の鍛錬が必要で、その成果を問う意味で、ぜひ多くの高校生に挑戦してほしいと思います。

応募作品は、どれも丁寧に筆を運び、最後まで粘り強く取り組んだ様子が伺えます。また日頃から、書に一生懸命に取り組んでいる成果が、表れています。
注意点としては、臨書において、課題の文字を一文字一文字丁寧に吟味して、筆路を明確にして、書字の際、誤字にならないように気を付けましょう。
この書道展は、書の技法を高める為だけではなく、今日の繁栄した日本の基礎を作った先人たちの「志」に触れることができる、よい機会です。是非、今後とも多くの児童、生徒の皆さんに参加していただきたいものです。

 

広島県立海田高等学校
教諭 上河 綾子 先生

第六回頼山陽書道展において、入賞・入選された皆さん、おめでとうございます。
新型コロナウイルスの影響で、私たちは今まで経験したことのない毎日を過ごしています。このような状況においてもしっかり書と向き合い、懸命に取り組んでこられたことが感じられる皆さんの作品は、若いエネルギーと書に対する真剣な思いであふれていました。

小学生部門は、どの作品も基本的な筆使いや部分の組み立て方に気をつけながら丁寧に書かれていました。入賞した作品は、文字の大きさや配列を整えて書くことや、筆の穂先を次の画につなぐ気持ちで書くことが意識されていて、名前もよく練習できていました。

中学生部門は、日頃からの基礎・基本を大事にした練習の成果がしっかりと表現されており、伸びやかで堂々とした作品が印象的でした。次の文字への自然なつながりに気をつけ、紙面に対する文字の大きさを考えて表現することでさらに良くなると思います。

高校生部門は出品点数が少なかったですが、どの作品も頼山陽の言葉に真摯に向き合い、それぞれの表現に取り組んでいました。臨書課題は一行の文字数が多く、画仙紙半切におさめるだけでも大変苦労されたと思います。筆意にも留意しながら堅実に取り組んだ姿が作品に表れていました。創作作品は真面目にきちんと表現されたものが多かった印象です。今までに学んださまざまな書体や書風を参考にして、自分なりに表現方法を工夫した書にも積極的にチャレンジしてほしいと思います。

今後もこの書道展を通して頼山陽について学び、伝統や文化をじっくりと見つめていく機会にしていただきたいと思います。さらに研鑽を積まれ、来年度はさらに成長した作品を出品されることを期待しています。

 

広島県教育委員会 義務教育指導課
指導主事 谷﨑 栄子 先生

第六回広島県公募書道展「頼山陽書道展」において、入賞・入選された皆さま、おめでとうございます。

小学校部門では、「真」と「忠孝」が課題でした。止め、はね、はらいをしっかりと意識し、よりよく書こうと努力している作品が多く見られました。まっすぐに筋の通った筆遣いで表現された「真」や、文字や全体のバランスがよく、点画から点画への筆運びを意識して書かれた「忠孝」が印象に残っています。そういった作品の中でも、特に目を引いたのは、迷いなく点画を描き、日々の鍛錬の成果を発揮していた作品であったと思います。

中学校部門は、「浩然之気」「山紫水明」に加えて、新たに「唯真故新」が課題となりました。小学校部門と同様に、基本的な点画の書き方を押さえた上で、字形を整え、余白を意識して、一点一画を丁寧に書こうとしている作品が多く見られました。新たな課題である「唯真故新」は、真似や嘘偽りを戒め、自分を飾らず、正直であることが大切であることを示しています。優れた作品は、頼山陽の文字に込めたこのような思いが表現されていたものであったと思います。

高校部門では、芸術性の高さに感心しました。臨書課題、創作課題のいずれも、頼山陽の詠んだ詩と向き合い、その内容をふまえた表現を工夫され、研鑽を重ねてこられた時間を感じました。

今回は、広島県外の方々の応募も増えたとのことで、この書道展が頼山陽の足跡を知っていただく機会になっているのだなと感じました。今後も、ぜひ多くの子供たちに、書道という伝統文化を通して広島ゆかりの頼山陽について学び、その詩文に触れてほしいと願います。

 

広島県教育委員会 義務教育指導課
指導主事 安達 裕 先生

第6回広島県公募書道展「頼山陽書道展」において、入賞・入選された皆様、おめでとうございます。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、昨年度、本書道展は開催されず、2年ぶりの開催となりました。今年度は県外からの応募もあり、多くの児童生徒がそれぞれの課題に一生懸命取り組まれたことを大変喜ばしく思いました。

小学校部門では、「真」と「忠孝」が課題でした。いずれもバランスのとりにくい字形ですが、半紙全体との関係に注意して、文字の大きさや配列などを意識し、どの作品も丁寧に仕上げていたように感じました。その中でも、穂先の動いと点画のつながりを意識して書かれた作品などが印象に残っています。

中学校部門では、「山紫水明」、「浩然之気」、「唯真故新」が課題でした。字形を整え、字の大きさ、配列などを意識し楷書で書かれた作品に加え、点画の丸み、点画の方向や形の変化、点画の連続、点画の省略などといった行書で書かれた作品も多くありました。その中でも力強さや雄大さが表現された作品からは、日々精進されていることを伺うことができました。

高校部門では、創作課題と臨書課題がありました。小学校・中学校部門とは比べ、非常に難しい課題であったと思いますが、いずれも素晴らしい出来栄えであったと感じています。その中でも、古典の特徴を生かして効果的に表現された作品からは、ひたむきに書と向き合う真摯な姿を想像することができました。

今後も、この書道展を通して、多くの児童生徒が書の美しさを味わうとともに、頼山陽という先人の功績に触れることを願っております。

 

TEL (082)542-7022 9:00~17:00

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